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イヤホン・ヘッドセットの選び方 -- 足音が聞こえる環境構築

イヤホン・ヘッドセットの選び方 -- 足音が聞こえる環境構築

FPSで「足音が聞こえない」「どこから撃たれたかわからない」という悩みを持つ人は多い。マウスやモニターに比べると、音響環境は後回しにされがちだけど、FPSにおいて音は「もうひとつの目」と言える情報源だ。

足音で敵の位置を把握できれば、先に照準を合わせた状態で待ち構えることができる。逆に聞こえていないと、出会い頭の撃ち合いが増えて、反応速度だけの勝負になりやすい。

ここでは、FPSに必要な音響性能とは何か、イヤホンとヘッドセットの違い、設定面で押さえておくべきポイントを整理していこう。

FPSに必要な音響性能 -- 定位感と分離感

FPSの音響環境を考えるとき、まず理解しておきたいのが「定位感」と「分離感」という2つの要素だ。

定位感とは何か -- 敵の方向が「わかる」音

定位感とは、音がどの方向から聞こえてくるかの明瞭さのこと。FPSでは、足音が「左前方の高所から聞こえている」といった判断が求められる。定位感が良いイヤホンやヘッドセットは、この方向判断を自然にサポートしてくれる。

定位感はドライバー(音を出すパーツ)の特性だけでなく、音場の広さにも左右される。音場(サウンドステージとも呼ばれる。音が鳴っている空間の広がりの感覚)が狭いと、全ての音が頭の中で鳴っているような感覚になり、方向の判別が難しくなる。適度に音場が広い製品のほうが、FPSでは方向の区別がつきやすい傾向がある。

開放型 vs 密閉型 -- FPS向きはどちらか

ヘッドホンの構造には開放型と密閉型がある。

開放型(オープンバック)は、ハウジング(耳を覆うカップ部分)の背面が開いている構造。外の音が入ってくる代わりに、音場が広く自然な響きになりやすい。定位感に優れるモデルが多く、FPSでは音の方向を掴みやすいと評価される傾向がある。

密閉型(クローズドバック)は、ハウジングが密閉されていて外部の音を遮断する。遮音性が高いため、周囲が騒がしい環境(大会会場やボイスチャットが大きい状況)では集中しやすい。ただし音場は開放型に比べて狭くなりがちで、長時間使用すると蒸れやすいという声もある。

どちらを選ぶかは使用環境によるところが大きい。静かな自室でプレイするなら開放型の恩恵を活かしやすいし、周囲に音漏れを気にする必要がある環境なら密閉型が現実的だ。

イヤホン vs ヘッドセット -- 長時間プレイを考慮した選択

IEM(カナル型イヤホン)がプロに人気の理由

最近のFPSプロシーンでは、ヘッドセットではなくIEM(In-Ear Monitor。耳の穴に挿入するカナル型のイヤホン。もともとは音楽のステージモニター用途で開発された)を使う選手が増えている。

IEMが選ばれる理由はいくつかある。まず軽さ。ヘッドセットは200〜350g程度あるのに対し、IEMは数十g。長時間の大会で首や頭に負担がかからない。次に遮音性。耳の穴を物理的に塞ぐので、外部ノイズの遮断性能が高い。大会会場の歓声が気にならないという利点がある。

音質面では、IEMはドライバーと鼓膜の距離が近いため、微細な音の聞き分けに向いているとされる。足音のような小さい音を拾いやすいという声は多い。

一方で、IEMにはデメリットもある。装着感に慣れが必要で、耳の形に合わないイヤーピース(耳に挿入するシリコンやフォームの先端部品)だと長時間使用で痛くなることがある。また、マイクが内蔵されていないモデルがほとんどなので、ボイスチャットには別途マイクが必要になる。

ゲーミングヘッドセットは、マイク一体型で手軽に使えるのが利点。音質や定位感はピンキリで、同価格帯ならIEMのほうが音質面で有利な傾向があるけれど、マイク込みの利便性を重視するならヘッドセットも十分に選択肢に入る。

バーチャルサラウンドの設定と注意点

ゲーミングヘッドセットやPC側のソフトウェアで、7.1chバーチャルサラウンド(ステレオ音声を加工して、疑似的にサラウンド音響を再現する技術)を有効にできることがある。

バーチャルサラウンドは音の広がりを感じやすくなる反面、加工の過程で音の輪郭がぼやけたり、足音の距離感が掴みにくくなったりすることがある。FPSにおいては、ステレオ(左右2ch)のまま使うほうが定位感がクリアだと感じる人が少なくない。

ただし、これも個人差や製品の実装品質によるところが大きい。バーチャルサラウンドをオンにしたほうが聞き取りやすいという人もいるので、両方試して自分にとって足音が聞き取りやすいほうを選ぶのがいいと思う。

イコライザー(周波数帯域ごとの音量を調整する機能)も活用してみよう。FPSの足音は中高域(2kHz〜4kHz付近)に多く含まれるとされている。この帯域を少しだけ持ち上げると、足音が聞き取りやすくなることがある。ただし上げすぎると他の音が不自然に聞こえたり、耳が疲れやすくなったりするので、少しずつ調整してみよう。

まとめ -- 予算帯別おすすめオーディオ機器

FPSの音響環境で押さえておきたいポイントを振り返ろう。

  • 定位感: 音の方向がわかる性能がFPSでは最も重要。音場の広さが関係する
  • 分離感: 足音と銃声と環境音がごちゃ混ぜにならない解像度
  • 開放型 vs 密閉型: 静かな環境なら開放型が定位に有利。遮音が必要なら密閉型
  • IEM vs ヘッドセット: 軽さ・遮音・音質ならIEM。マイク一体型の手軽さならヘッドセット
  • バーチャルサラウンド: ステレオとの比較で自分に合うほうを選ぶ。無条件にオンが良いわけではない
  • イコライザー: 中高域を少し持ち上げると足音が拾いやすくなることがある

オーディオ環境は、マウスやモニターほど数値で明確に比較しにくい分野だ。スペックシートだけでは音の印象はわからないので、可能であればレビュー動画や試聴を参考にしてみよう。「聞こえなかった足音が聞こえるようになる」だけで、立ち回りが大きく変わることがある。

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