スプリットプッシュ vs 集団戦 -- 状況に応じた判断
MOBAの中盤以降、チームの動きは大きく2つに分かれる。チーム全員で固まって動く「グループ」と、1人がサイドレーンを押しながら残り4人が別行動する「スプリットプッシュ」。どちらを選ぶかは試合の状況とチーム構成によって変わる。
この判断を間違えると、有利な試合でも逆転される。逆に、正しく判断できればゴールド差が少なくても試合を動かせる。
スプリットプッシュとは -- サイドレーンを1人で押す戦術
スプリットプッシュ(split push)とは、1人がサイドレーンのミニオンを処理しながらタワーを狙い、相手に対応を迫る戦術。残りの4人は別のレーンやオブジェクト付近でプレッシャーをかける。
相手がスプリッターを止めるために人を送れば、そのぶん残りの4人は数的有利でオブジェクトを取れる。かといって放置すれば、タワーが折れてインヒビターまで押し込まれる。相手にとって「どちらに対応しても何かを失う」状況を作るのがスプリットプッシュの本質だ。
スプリットが有効な条件(1v1で勝てる / 逃げ性能が高い)
スプリットプッシュを担当するキャラクターには条件がある。
- 1v1で相手に負けない(対面に来た1人を返り討ちにできるか、最低でも膠着状態に持ち込める)
- 逃げ性能が高い(複数人が来ても逃げ切れる機動力やスキルを持っている)
- タワーを壊すのが速い(攻撃速度やタワーへのダメージが高いキャラクター)
LoLではフィオラ、ジャックス、トリンダメアなどがスプリットの適性が高いキャラクターとして知られている。Dota 2ではナチュラル・プロフェット(テレポート能力でマップ全体を使ったスプリットが可能)やアンチメイジ(ブリンクによる高い機動力)が代表例だ。
スプリット側と残り4人の連携ルール
スプリットプッシュが機能するには、スプリッターと残り4人の連携が必須だ。最もありがちな失敗は、スプリッターがサイドを押している間に残り4人が不用意に集団戦を始めてしまうこと。4対5で負けて、スプリッター1人では取り返しがつかない。
連携の基本ルールは「スプリッターが押している間、残り4人は絶対に集団戦を起こさない」。安全にウェーブを処理しながらプレッシャーだけかけて、相手がスプリッターの対処に人を割いたタイミングで初めてオブジェクトを取りに動く。
ソロキューではこの連携が難しいため、味方にpingで「自分はサイドを押す」と意思表示しておくことが重要になる。
集団戦を選ぶべき状況
チーム構成が集団戦向きの時のエンゲージ判断
集団戦(チームファイト)を選ぶべきなのは、自分たちのチーム構成に集団戦で有利な要素が揃っている時だ。
- AOEダメージ(Area of Effect。範囲攻撃。複数の敵を同時に巻き込むスキル)を持つキャラクターが多い
- エンゲージツール(集団戦を開始するための突進スキルやCCスキル)が豊富
- 前線を張れるタンクがいて、後ろのキャリーが安全にダメージを出せる
こうした構成なら、集団で固まって動き、有利な場面で集団戦を仕掛けるのが順当な戦い方になる。
人数差・ゴールド差・ウルトのCDで集団戦の勝率を見積もる
集団戦を仕掛ける前に確認したい要素がある。
- 人数: 5v5か、誰か欠けていないか
- ゴールド/アイテム差: 自分たちが有利か不利か
- ウルト(アルティメットスキル。各キャラクターが持つ最も強力なスキル。クールダウンが長い)のCD: 味方の主要なウルトが使えるか、相手のウルトが使えない状態か
特にウルトのCDは見落とされがち。味方のエンゲージ役のウルトがCDで、相手のキャリーのウルトが使える状態で突っ込んだら、ほぼ負ける。集団戦前に「ウルトある?」とpingで確認するだけで勝率が変わる。
このSTEPのまとめ
スプリットプッシュは「1人でサイドを押して、相手に二択を迫る」戦術。集団戦は「チームの総合力で正面からぶつかる」戦い方。
どちらを選ぶかは構成と状況による。スプリットは1v1に強く逃げ性能が高いキャラクターがいる時。集団戦はAOEやエンゲージが揃っている時。そして、仕掛ける前に人数・ゴールド差・ウルトのCDを確認する。
STEP4ではウェーブマネジメントを詳しく見ていこう。






